1993年に発売された世界初のトレーディングカードゲームであり、
このゲームによってトレーディングカードゲーム(TCG)というジャンルが生まれた。
公式にはマジック、M:tGのように略され、
他にもギャザなどと呼ばれる。このほか、
「もっともよく遊ばれているTCG」などでもギネス世界記録に認定している。
メインデザイナーのリチャード・ガーフィールドは、
このゲームを作ったヒントがボードゲームの
コズミック・エンカウンターにあると話している。
コズミック・エンカウンターの基本的なルールは簡潔なもので、
そのままでは単調な展開にしかならない。
しかし各プレイヤーはプレイ開始時点に“特殊能力”を与えられており、
時には基本ルールを逸脱するような特殊ルールが適用される。
これによってゲームの展開やバランスはプレイごとに大きく変化する。
マジック:ザ・ギャザリングを初めとするTCGにおいては、
一定の制限内で好きなようにカードを組み合わせたデッキ(山札)を各プレイヤーが用意する。
さらに、多くのカードが原則を破る特殊ルールを持っている。
これにより、コズミック・エンカウンター以上に多彩かつダイナミックな展開が実現された。
このゲームは発売されてから短期間の内に驚異的な人気を得て、
TRPG関連の新興零細メーカーに過ぎなかったウィザーズ・オブ・ザ・コースト社を一気に成長させた。
そしてその人気に触発されて多くのメーカーが次々とTCGを発売した結果、
僅か数年でTCGがゲームの一ジャンルとして確立したのである。
人気は他のゲームジャンル・漫画にも影響を与えた。
ポケットモンスター、遊☆戯☆王はこのゲームの影響を強く受けている。
大会形式も確立されており、世界中でトーナメントが開かれている。
世界中からトッププレイヤーが集結して開催されるプロツアーや世界選手権を目指し、
生活をマジックに捧げてまで世界を相手に競う若者も多い。
初めの頃は日本勢は優勝どころかベスト8すら高い壁であり、
良くてベスト16前後を行ったり来たりする程度であったが、
2001年のプロツアー東京にて藤田剛史が日本人初のベスト8入り(準優勝)を果たしたのを皮切りに、
日本人がどんどん世界の舞台に進出していった。
そしてついに2004年プロツアー神戸で黒田正城が初めて日本人初のプロツアー王者に輝く。
2005年シーズンでは世界選手権個人戦を森勝洋が制し、
日本人初の世界王者となった。
同時に国別対抗トーナメントでも日本代表が優勝し、
プレイヤー・オブ・ジ・イヤー(年間MVP)を津村健志が獲得したことで、日本が三冠を達成した。
また2006年世界選手権では国別対抗トーナメントこそ準優勝と三冠は逃すものの、
世界選手権個人戦優勝(三原槙仁)、プレイヤー・オブ・ザ・イヤー(八十岡翔太)と
2つのタイトルを連続で日本に持ち帰ることとなった。